上方役者絵はここを見る!――鑑賞がぐっと楽しくなる5つのポイント

上方の役者絵を前にして、どこから見ればよいのか迷ったことはありませんか。ここでは、はじめての方でも鑑賞がぐっと楽しくなる5つのポイントをご紹介します。

Not sure where to start? Here are five points to look for when enjoying an Osaka actor print.

■ 鑑賞の5つのポイント / Five Points

ポイント見るところわかること
1. 書入れ画面の役者名・役名・演目名誰が何の役を演じたか
2. 顔目元・鼻・口元の特徴役者の似顔、上方らしい写実
3. 視線目の向きと強さ構図の中心、人物の感情
4. 衣裳と紋着物の文様、定紋・替紋役者の特定、役柄の性格
5. 摺りの技空摺・金銀摺・つや摺制作の手間と作品の格

■ 書入れを読む / Read the Inscriptions

上方の役者絵には、役者名と役名が記されていることが多く、演目名や劇場名が入る作品もあります。さらに贔屓連の狂歌や俳句が摺り込まれていることもあり、画面の文字は情報の宝庫です。くずし字が難しければ、役者名の最後の文字(「〇〇衛門」「〇〇郎」など)だけでも拾ってみましょう。

■ 視線を追う / Follow the Gaze

上方浮世絵の大きな特徴が、強い視線です。役者の目の向きは構図の一部になっており、続物では登場人物同士の視線が画面をつなぎます。にらみ合う二人、遠くを見つめる姿など、視線の先を想像すると芝居の場面が浮かび上がります。

■ 手に取って光にかざす / Look from Different Angles

空摺(絵具をつけずに摺って凹凸をつける技法)や正面摺(つや摺)は、正面からではわかりにくく、角度を変えて光を当てると浮かび上がります。美術館では貸出の虫眼鏡を使ったり、見る角度を変えたりして、細部の技を探してみてください。

  • 実物を鑑賞するときは、作品に直接触れず、直射日光の当たらない場所でご覧ください。
  • 同じ演目の作品を並べて見比べると、絵師や上演ごとの違いが見えてきます。

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